ブランディングデザインとは、企業やサービス・商品に関するイメージを視覚化し、消費者に「デザイン」として伝える方法です。デザインやロゴを見ただけで「あの企業だ!」と認知してもらうとともに、企業イメージやブランドのイメージを消費者自ら作り出してもらえるようになります。
しかし企業によっては、ブランディングデザインといわれてもあまりピンとこない、かわいらしいロゴを作成したに留まるなど、デザインを上手く活用できず宣伝効果を発揮できないと悩まれている方も多いでしょう。そこでこの記事では、ブランディングデザインの基礎的な知識から、ブランディングデザインを成功させるポイントまでを解説します。
取り組むことを検討している企業や企業のブランディングを見直したいと考えている方は、本記事を参考にブランディングデザインの重要性を確認してください。
ブランディングデザインとは?
ブランディングデザインとは企業や商品のイメージをデザインにして、消費者に伝える方法のことです。身近な代表例では、InstagramのロゴやGoogle Chromeが挙げられます。
Webサイトやパッケージ、バナーやチラシ、さらには店舗空間と、ブランディングデザインの形は多岐にわたり、すべてがブランドを形作るものとして機能します。全体の世界観を統一することで、消費者にブランドの価値や方向性を連想させ、自然にブランドとしての価値を高めることが可能なのです。
ブランディングデザインが成功すると、デザインに企業の名前が書かれていなくとも、消費者はデザインだけでどの企業なのかわかるようになります。そのため多額の宣伝費をかけずに商品の宣伝やサービス提供が可能になり、安定的な集客が見込めます。
ここではさらに詳しく、ブランディングとはそもそも何なのか、ブランディングデザインがもたらす効果や可能性はどのくらいあるのか見ていきましょう。
そもそもブランディングとは?
そもそもブランディングとはほかの企業にはない、その企業ならでは価値をもたせることです。商品にしても企業にしても、類似性が1%もない商品やサービスというのはほとんどありません。
そこで他社との差をつけるために行うのが、ブランディングです。例えば「〇〇のブランドは性能がよい」「〇〇といえばこの会社」となるのは、企業が消費者に対して製品の強みやポジションを明確化し競合他社との差別化を図った結果です。つまり、この差別化こそが企業の独自性を出すポイントであり、ブランディングが成功する要にもなります。
有名なブランドも、名前で企業が成長したわけではありません。ブランディングに成功して、消費者自らがブランドに対する安心感を抱き、「〇〇の機能に対して信用に値する企業」という位置づけをしたからです。
ブランディングデザインの目的と効果
ブランディングデザインの目的は、自社の商品やサービスを見てもらい魅力を感じてもらうこと、他社との差別化を図ることです。例えば、AとBの企業が同じ素材の洋服を出したとします。しかし、A社は有名なブランドのロゴがあり金額は数万円、Bはロゴがなく数万円とします。どちらを選ぶのか聞かれた際、多くの人はAの商品を選ぶのではないでしょうか。
これはA社がほかのアパレル会社と比較し、A社にしかない独自性の訴求ポイントを明確化し、かつブランディングデザインで世界観を統一することで、消費者がA社の洋服に対して付加価値を抱いた結果です。つまり、自社がブランディングデザインに成功していれば、同じ商品や同じ素材であっても自然に自社の商品が選ばれるようになるのです。
また、ブランディングデザインは視覚で訴えるため、年齢や個人のおかれた環境によって印象が大きく左右されることはありません。デザインには言語の壁がなく、国境を越えて認知されることも可能です。このことから、ブランディングデザインに成功すれば、グローバルな事業の拡大も視野に入れられます。
ブランディングデザインを成功させる考え方
ブランディングデザインを成功させるうえで重要なのは、ロゴを見ただけで企業が思い浮かぶだけではなく、企業コンセプトやブランドの価値を連想させることです。
例えばGoogleの場合はGoogle Chrome、スプレッドシート、Googleドキュメントなど、パッと見てすぐにGoogleのサービスだとわかる方が多いのではないでしょうか。ブランディングデザインで重要なのは、企業らしさや色遣いを取り入れて、企業とロゴのイメージを一致させることです。
ブランディングデザインはお洒落を意識するよりも、企業らしさが入っている点を重視しましょう。
ブランディングデザインを制作するまで
ブランディングデザインを制作するまでの流れは、次の4ステップです。
- ブランドコンセプトを決める
- ブランドのイメージを言語化する
- デザイナーと意見をすり合わせていく
- ブランドデザインのガイドラインを作成する
ここでは、それぞれのステップをみていきましょう。
ブランドコンセプトを決める
ブランドの商品やサービスを届ける相手をイメージしたり、経営理念を振り返ったりして、ブランドのコンセプトを明確にしていきましょう。例えば、「環境に優しい服を生産するブランド」、「誰もが自分の体を好きになれるような服」といったコンセプトです。ブランドコンセプトを決めておけば、ロゴのイメージが浮きやすくなるだけではなく、競合他社の把握もできるようになります。
ブランドコンセプトとサービスを届けたいターゲットが異なっていると、適切なブランディングデザインができなくなるため、しっかりと決めていきましょう。
ブランドのイメージを言語化する
ブランドのロゴを決める前に、コンセプトを基にしてブランドイメージを言語化しましょう。ブランドコンセプトをさらに詳しく、どのような方を対象に届けたいのか、ほかの企業にはない自社の強みなどをイメージ化していきましょう。
なお、デザインを作る際は社内の方としっかり話し合うことが重要です。とはいっても、社内の人の意見が満場一致することはないため、上手に意見を聞き入れていきましょう。
デザイナーと意見をすり合わせていく
ブランドのイメージを言語化したあとは、デザイナーとの意見をすり合わせていきましょう。いくらブランドのイメージを言語化できロゴがイメージできたとしても、デザイナーとの意見が異なれば、理想のものを作ることは難しくなります。
理想のロゴを作るうえで、デザイナーの意見と社内の意見のすり合わせはとても重要です。
ブランドデザインのガイドラインを作成する
ブランドデザインのガイドラインを作成しておくことで、社内や外注先のすり合わせがスムーズに行くようになります。ブランドのガイドラインにはフォントや使うべき色、キーワードなどの記載をしておきましょう。ここが統一されていないと、ブランドに対するイメージが崩れてしまいます。
ブランディングデザインの成功事例
ブランディングデザインの成功事例として、次の3つを見ていきましょう。
- Googleのロゴ
- NIKEのロゴ
- 株式会社明治のロゴ
ブランディングデザインに悩まれている方は、参考にしてください。
Googleのロゴ
Googleのロゴは青・赤・黄の三原色に「l」だけ緑色で構成されています。これは「Googleがルールにとらわれない企業である」という経営哲学を象徴したものだそうです。
さらに世界観を統一するために、提供しているサービスに一貫性をもたせているのが特徴です。Google MapやGmail、Google カレンダーなどはすべてロゴデザインのトンマナが統一されています。ロゴのカラーをサービスでも取り入れることによって、文字がなくともGoogleのサービスだとわかるようになっています。
NIKEのロゴ
ナイキの由来はギリシャ神話の勝利の女神であるニーケ―です。ナイキのロゴは、ニーケーの翼をモチーフに、躍動感とスピード感を表現しているといわれています。ナイキのロゴマークは「スウォッシュ」と呼ばれ、シンプルなデザインが特徴です。
誰が見てもナイキだとわかるロゴになっており、シンプルであるためアレンジが可能です。実際、ナイキの靴はどんなカラーを使ったとしても、すぐにナイキの靴だとわかるようになっています。ほかのロゴはカラーが変わったり、文字がなかったりすると、どこの企業なのかわからないことが多いなか、ナイキはとてもアレンジの効くデザインとなっています。
株式会社明治のロゴ
株式会社明治のロゴは、実は2009年の4月1日に明治製菓と明治乳牛で統合されたことによって、リニューアルされました。ロゴデザインが大文字で角ばっていた「MEIJI」から、丸みを帯びた「meiji」という文字に変わっています。「m」は生クリームがかかりおいしそう、「e」は笑顔、「iji」は母親が子どもを抱える姿を連想させるイメージのようです。
またコーポレートスローガンは「健康にアイディアを」です。それまで100年以上にわたり「おいしさ・楽しさ・健康・安心」を世界に広げることに努めてきましたが、「健康」というフィールドで大きな役割を果たすことを目指し、次の100年に向け2021年6月に刷新されました。
まとめ
本記事ではブランディングデザインの意味から、成功させる上での考え方、成功事例を紹介しました。ブランディングデザインは企業への信頼が生まれ、大きなマーケティング効果をもたらします。とはいっても、ブランディングデザインの制作は、企業のイメージやコンセプトを決めなければならないため、大変だと感じている企業も多いのではないでしょうか。
デザインである以上、企業の特徴を取り入れつつも、見た人を魅了するロゴを作りたいものです。しかし、企業によってはブランディングデザインが難しい、ロゴが作れないと悩んでいる企業も多いでしょう。
もしもロゴやデザインでお困りのことがありましたら、「SeekNext合同会社」にご相談ください。SeekNext合同会社は適正な価格で、競合他社との差別化が可能です。
コメント