企業戦略で耳にする「ブランディング」。自社製品をPRし、価値を高める効果が期待できる施策の一つです。
以前はテレビや広告を主流の媒体として行っていましたが、近年では自社のブランディングサイトを立ち上げ、自社のブランドイメージを消費者に定着させる企業が増えています。
そこでこの記事では、そもそもブランディングとは何か、効果や目的を解説します。またブランディングを検討している方に向け、作成手順や注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ブランディングとは
ブランディングとは、マーケティング手法の一つです。自社のサービスや商品をブランド化し、他社との違いや価値を生み出します。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会によれば、「ブランド」とは以下のように定義されています。
「ある特定の商品やサービスが、消費者・顧客によって『識別されている』とき、その商品やサービスを『ブランド』と呼ぶ」
このことから、ブランディングは「消費者によってほかの企業や商品とは区別して認識されるようにするための取り組み」といえるのです。ただほかの企業や商品と区別するだけでなく、消費者が抱くイメージに近づけて価値を持たせることが重要になります。
ブランディングの分類
ブランディングには主に3つの分類があります。
インナーブランディング (企業文化づくり) | 商品・事業ブランディング (事業づくり) | 採用・育成ブランディング (人・組織づくり) |
ブランドの価値や企業理念などを社内に浸透させること。 | 商品や事業の魅力を外部に発信し、事業成長へとつなげること。 | 独自の強みや他社との差別化部分を明確にし、企業価値を高めること。 |
これらを総称してコーポレートブランディングと呼びます。コーポレートブランディングは、企業自体のブランディングであり、すべてのブランディングにおいて起点となるものです。
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングと混同されがちなのが「マーケティング」です。ブランディングとマーケティングの意味の違いは以下の通りです。
ブランディング | マーケティング |
消費者のイメージを高め差別化を図る戦略 | 商品を売るためのトータル的な戦略 |
ブランディングは自社や商品のイメージを高めようとする取り組みであるのに対し、マーケティングは売るための活動といった違いがあります。
ブランディングで大切なポイントは受け取り側の評価です。「うちの強みは〇〇です」「〇〇の価値があります」のような宣伝やPRではなく、受け手によいイメージや期待感をもたせ、消費者が「〇〇といえば▲▲企業」と考えることが重要です。
ブランディングを取り入れる目的と効果
ブランディングでは、ターゲットに企業や商品に対して機能的な価値以上のプラスイメージを作りだせます。ブランドに対し他社との差別化がつけば、顧客から選ばれる確率が高まるのです。
またブランディングは社内に向けても有効な手段です。企業理念や価値観が共有でき、社内にも安心感が生まれます。さらには社会的信用や価値向上にもつながるのです。
ここでは、ブランディングを取り入れる2つの目的について解説していきます。
利益率の向上
ブランディングによって、自社の製品が広く認知されるメリットがあります。「この商品なら▲▲社」といったイメージが根付くことで、消費者から選ばれやすくなり、最終的には利益率の向上につながるのです。
競合他社の商品よりも消費者から認知されやすくなることで、経営が安定しやすくなり、価格競争に頼らなくてもよい環境を作り上げられます。価格競争から距離を置くことで、さらに経営の安定や収益の増加が実現できます。
また、商品や企業の信用度によって、リピート率を上げられるのもメリットです。新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストが必要といわれています。そのため、新規顧客よりもリピート客を増やすことで、コストを軽減しながらさらに利益アップを目指せます。
企業の社会的価値向上
ブランドメッセージとして企業の理念を発信することで、社会的な信用が高まり社会的価値向上につながるのもメリットの1つです。企業の信念や、どういった姿勢でありたいかといった考え方は、消費者に安心感を与えます。社会的価値が向上することで、消費者から信用を得られ、発信力が高まるといったよい循環につながります。
また、社会的信用が高まると、優秀な人材を集めやすいといった点もメリットです。消費者からの認知度が高いため、高いコストをかけずに自社サイトのみで優秀な人材を確保できるでしょう。採用コストの大幅軽減にもつながります。
ブランディングの手順
ブランディングは自社の価値を消費者に認知してもらうための取り組みですが、実際のところ、どのような手順で取り組みを進めていけばよいのでしょうか。
ここでは、ブランディングを進めるための4つの手順について詳しく解説していきます。
環境分析
ブランディングを実施するに当たって、まずは現状を把握します。自社はどのような環境に置かれているのかを客観的に見て判断するため、以下のような手法を使って分析していくことが重要です。
- 3C分析
- PEST分析
- SWOT分析
これらの手法について詳しく見ていきましょう。
3C分析とは、3つのC「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の観点から、市場環境を分析していく手法を指します。3つのCの関係性を明らかにすることで、自社の弱みや強みを明らかにできるのです。
PEST分析とは、「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの頭文字をとった手法です。4つの観点から外部環境を分析することで、今後の事業展開に役立てられます。
SWOT分析とは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの頭文字をとった手法です。自社の事業の現状について把握できるフレームワークで、経営戦略ではよく使用されています。
ブランドコンセプトの設定
環境分析の結果をもとに、ブランドコンセプトを設定していきます。
- どんなブランドを目指したいのか
- 誰に向けて発信するのか
- 他社との違いはどうするか
- 自社の商品にどんな価値を持たせるのか
- ブランドのイメージ
ブランドのコンセプトに沿ったキーワード候補をたくさんあげていき、その中から最も相応しいものを明らかにしていきましょう。その結果、他社とは違う独自のブランドを作り出せるのです。
アウトプットを実施する
ブランドの方向性が決まったら、どのように発信していくかを決定します。ターゲット層によって発信するSNSを選出したり、広告手法を選んだりといった作業を行います。
ここで重要なのは、ブランドの世界観が統一されていることです。消費者にとってわかりやすいデザインを心がけるだけでなく、キャッチコピーやブランドのロゴ、デザインがきちんと同じ世界観で統一されているか再度確認しましょう。
ブランディング施策の成果を測定
ブランディングのための施策を行った後には効果検証します。検証に用いる方法はさまざまで、アンケート調査やアクセス解析などを使いながら定期的に計測していきます。
ブランド認知の効果は目に見えにくいため、認知度といった概念を具体的な数値に当てはめて分析に役立てましょう。
成果を測定するための計算式を紹介していきます。
顧客獲得単価を算出する場合 顧客獲得単価=広告宣伝費÷獲得した成果件数 |
顧客獲得単価を削減するには、広告宣伝費を減らす、または成果件数を増やすことが大切です。
顧客生涯価値を算出する場合 顧客生涯価値=年間顧客数×平均客単価×年間平均購入頻度×平均継続年数 |
この計算式だけでなく、顧客生涯価値を算出するにはいくつか計算式があります。
ブランディングの注意点
ブランディングを取り入れるうえで知っておきたい3つの注意点について解説します。ブランディングを成功させ、企業の認知度を上げるためにもしっかり把握しておきましょう。
ブランドコンセプトを明確にする
ブランドコンセプトは社内で「暗黙化」しがちです。企業の規模によっては社員それぞれが自分なりに解釈することも考えられるため、統一されたコンセプトをきちんと文章に残すことで認識の相違を防げます。
ブランドコンセプトを設定する段階では抽象的なイメージが強くても、しっかり言語化して共通認識を持っておくことが大切です。
コストや時間がかかる
自社の商品がブランドとして世間の人に認知されるには、時間もコストもかかります。サービスや商品に魅力を感じてもらい、多くの消費者に支持されるようになるには、何年もの時間がかかるため、すぐに結果が出るものではないことを知っておきましょう。
また、ある程度の年数が経っても成果が上がらない場合は、既存のブランドを新たなニーズに構築し直す「リブランディング」も検討しなくてはなりません。
企業を長く続けるためにも、長期的な視点が必要です。
競合がいる場合は見合った戦略が必要
自社のサービスや商品をブランディングしようと思っていても、すでに強力な競合他社がいるかもしれません。強力な競合他社がいる場合は、それ以上のブランド力を持たせるのは至難の業です。ブランド力で超えるためには、大胆な戦略や細かく作りこまれた戦略が必要になってきます。
競合他社と自社の違いをしっかり区別し、自社の強みを活かす戦略を打ち出すとよいでしょう。
ブランディングサイトならSeekNext合同会社へ
自社の商品の認知を高めるにはブランディングが欠かせません。消費者からの認知を高めることで、収益アップや経営の安定につながります。
中でも企業のイメージを構築し、商品やサービスの露出に不可欠なのがブランディング要素を盛り込んだサイト制作です。ブランディングサイトと呼ばれ、企業やブランドの空気感を伝えユーザーから指示を集めるために、もはや必須のものといえるでしょう。
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