オウンドメディアとは、自社で運営するメディアの総称です。トリプルメディアと呼ばれる消費者と企業をつなぐメディアの一つであり、マーケティング戦略において重要視されています。狙ったターゲットに向かって、サービスや商品に関わる情報を発信でき、かつ自社のファンを増やしていけるのが特徴です。
ただし、ただオウンドメディアを運営するだけでは、期待する効果は得られません。企画の段階で方向性や目標を定め、そこから戦略を立て取り組むべき業務は多岐にわたります。
今回は、オウンドメディアを構築する前に考えるポイントや、予算を組むうえで欠かせない費用について説明します。これからオウンドメディアを立ち上げたいと考えている担当者や、現在のオウンドメディアにおいて戦略的な運用ができていないと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアの構築ポイント6つ
オウンドメディアの構築で事前に確認しておくべき内容は6つ挙げられます。
- サイトを訪問するターゲット(ペルソナ)を設定
- ユーザーニーズと競合のリサーチ
- オウンドメディアを運営するためのキーワードを設定
- カスタマージャーニーマップの設計
- オウンドメディアのコンテンツ方針を設計
- KGIとKPIの設定
6つのポイントについて、一つずつ見ていきましょう。
①サイトを訪問するターゲット(ペルソナ)を設定
オウンドメディアは、閲覧するユーザーがどのような内容を読みたいかを想定してコンテンツを制作します。ユーザー設計は年代や性別だけでなく、より詳細なターゲット像を設定する必要があります。
ユーザー像を、年代や性別・職業・年収などを細かく設定したものがペルソナです。ペルソナの設定例として簡単に紹介すると次のような内容となります。
【ユーザーの基本属性例】
名前 | 〇〇 〇〇 |
年齢 | 31歳 |
性別 | 男性 |
職業 | ITソフトウェア開発 |
年収 | 700万円 |
学歴 | 国立大学卒 |
家族構成 | 妻と子ども2人 |
居住地 | 東京23区内 |
趣味 | サッカー、キャンプなどアウトドア |
休暇の過ごし方 | キャンプやサッカー、家族団らん |
性格 | 社交的で誰とでも打ち解けられる。 一人で過ごすより友人や家族と過ごす時間を好む |
ペルソナは、ターゲットとなる人物像が浮かび上がるような内容を設定し、エピソードも肉付けすると具体性が増します。
②ユーザーニーズと競合のリサーチ
ユーザー像が確立したら、次は求めているニーズやトレンド、競合をリサーチしましょう。オウンドメディアはユーザーが抱える悩みや課題に適した情報を提供し、欲求や願望を叶えることでユーザーを惹き込めます。
さらに、ユーザーはサービス・商品を購入するときは、ほかの類似した商品と比較することから、想定される競合のリサーチも欠かせません。
想定される顧客に近い人物を集めインタビューしたり、競合のマーケティングを分析したりして徹底的にリサーチしましょう。
③メインのキーワードを設定
ターゲットの悩み・課題・欲求・願望をベースに、メインキーワードを設定しましょう。メインキーワードはオウンドメディアが果たす役割や目的によって設定内容が変わります。
オウンドメディアの果たす役割がリード(見込み客)獲得を目的とする場合は、ユーザーが購入などの行動に移行する一歩手前で検索するキーワードがおすすめです。例えば、ダイエットであれば「ダイエット 簡単」「ダイエット 自宅」「ダイエット 40代」のように、効果的な方法を比較検討したいときに検索するワードです。
オウンドメディアの果たす役割がブランディングを目的とする場合は、検索ボリュームの多いキーワードをメインキーワードに設定する必要があります。
④カスタマージャーニーマップの設計
カスタマージャーニーとは、設定したペルソナが商品やサービスを購入する際に、どのような行動をするのかシナリオを時系列で捉えて考える方法です。
購入に至るまでの行動は、AISASのような(認知・関心・比較検討・購買・情報共有)の考え方をもとに設定し、目に見えるマップ状に落とし込みます。
⑤コンテンツ方針を設定
ペルソナやカスタマージャーニーを設定したあとに、制作が必要なコンテンツを検討していきます。オウンドメディアを運用するために必要な作業をまとめましたので、運用を検討する方は参考にしてください。
必要なこと | 概要 |
全体の進行管理チェック | 記事の作成から掲載日までの進捗管理 |
SEO設計 | メインキーワードに関連するキーワードの設定キーワードや記事の文字数など上位表示を目指すためのSEO設計ほかの記事との関連性(内部リンクの設定) |
テーマやコンテンツ内容を決定 | コンテンツのテーマや内容を決める |
コンテンツ記事の執筆 | タイトルや本文などの執筆を行う |
リサーチ | ユーザーが求める情報のリサーチを行う |
画像の収集および作成 | コンテンツに掲載する画像の収集や作成 |
コンテンツ内容の監修・校閲 | 他社の記事内容のコピペチェック記事内容の事実確認E-E-A-Tなど専門的な内容は監修されているかチェック |
コンテンツの公開 | オウンドメディアにレイアウトを整えて掲載 |
企業SNSで拡散 | ユーザーに情報を届けていいね!やフォローを促す |
効果測定 | アクセス解析などの効果計測を行う |
オウンドメディアは構築したのち運用していかなければなりません。この段階で併せて運用体制も構築しておきましょう。運用では記事情報の定期的な更新に加え、情報をユーザーに届けるための拡散や反響の分析といった作業を繰り返していきます。
⑥KGI・KPIの設定
コンテンツ方針や運用方針を決定したあとは、オウンドメディアを構築することで達成したい重要目標達成指標(KGI)を設定し、達成するために必要な中間目標(KPI)に落とし込んでいきます。
KPIの数値目標は、定期的に効果測定を行い定点観測をしていくことが大切です。定点観測をして効果を定期的にチェックすると、KGIが達成できる見込みがあるのか判断できます。
中間地点で、目標達成までほど遠いと判断したならコンテンツ自体の修正も必要になるでしょう。
オウンドメディアを構築・運用するのに発生する費用とは?
オウンドメディアを構築し運用するには費用がかかります。最低限かかる費用は以下の3種類といえます。
- メディア運営者の人件費
- サーバーやドメイン費用
- コンテンツを制作するための費用
一つずつ見ていきましょう。
メディア運営者の人件費
オウンドメディアを自社で運用しようとすると、メディア運営の人件費が発生します。
メディア運営の人件費として考えられる業務内容は以下の通りです。
- コンテンツの企画立案・調査・提案
- 公開したコンテンツのSNS拡散
- ユーザーの動向リサーチ
- メディアの効果測定
- 運用スケジュールの管理
コンテンツ制作以外にかかる費用が該当します。
サーバーやドメイン費用
オウンドメディアを公開し運用するためには、サーバーやドメインが必要です。すでに公式サイトが存在し、サブドメインで利用するならばサーバーの追加費用だけで済むでしょう。
ただしオウンドメディアは、メインキーワードをドメインに含めた方がSEO効果も期待できます。新しい独自ドメインで運用するケースが多いため、ドメイン取得費用とサーバー代金がかかると想定しておくとよいでしょう。
コンテンツを制作するための費用
オウンドメディアのコンテンツを制作する費用もかかります。コンテンツの制作費用は主に以下の通りです。
- コンテンツのライティング費用
- メディアサイトのデザイン作成
- ディレクション業務
- コーディング、
- プログラミング
運用が始まると、Webサイトの分析やマーケティングおよびSEO設計なども必要となります。
自社で制作・運用が大変な場合は委託も検討しよう!
オウンドメディアを制作し運用することで、ターゲットとなるユーザー層の行動を深く理解し、ユーザーとの接点を増やすことも可能です。しかし、制作スキルや運用のノウハウがなければ、制作から運用まで自社のリソースでカバーするのは困難といえます。
自社運用のハードルが高くなる理由として考えられるのは以下の理由です。
- 定期的にコンテンツを増やす必要がある
- 記事と記事の関連性を持たせて回遊性を考慮した設計が必要となる
- 既存の情報は定期的にリライト(情報を刷新)が必要となる
- ユーザーの動向を把握しコンテンツの方向性を決める必要がある
自社での運用だと対応できる人や社内でリソースが足りない場合、オウンドメディアの構築や運営代行サポートを行っている会社に相談するのも一つの方法です。
コンテンツ制作に必要なキーワードの設計からメディアコンテンツの制作、記事のライティングやディレクションまでオールインワンで対応してくれる会社もあります。
まとめ
オウンドメディアは、構築前に入念な設定をしなければ失敗に終わります。さらに、成果を上げるためには掲げた目標に対し定期的に振り返り、常に分析と改善をくり返していかなければなりません。しかし、そうなれば管理費用のほかに人件費も発生し、うまくいかなければ、会社の利益よりも費用の方がかさむ場合もあります。
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